情報処理技術遺産/FACOMの思い出

情報処理学会が「情報処理技術遺産」なるものを23件認定したらしい。

情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度を開始

富士通のリレー計算機「FACOM128B」もリストに入ってた。15年前、富士通川崎工場にお邪魔したとき地下室にひっそりと置いてあったな。横幅7,8m位のキャビネットの窓からびっしりとリレー装置らしきものが。

ふとコンソールを見ると、割り算だか平方根だかを求めるオペレーションマニュアルをはさんだラミネートシートが。それを見ながらコンソール操作をせずにはいられないこの私。

突然どこかから「カタカタカタ」と音が鳴り響く。げっ、電源が入ってやがった。同行してた富士通の人が真っ青な顔してすっとんでくる。が、時すでに遅し。「ラッタッタッタ!ダバダバダバ!」とキャビネットが大音響を発しながら計算を始めた。リセットボタンどこ〜?。動いちまったもんはしかたない。困惑した顔で立ち尽くす富士通の方を尻目にベカベカ振動を繰り返すリレーを観察する私。

1,2分経ってようやく装置が停止する。インクリボンが数cm消費されて答えが印字されていたような。とりあえず弁償せずに済んだみたい。検算する余裕もなく逃げるように地下室を後にした。

現在は2週間前に申し込みをしないと見学できないらしい。しかも創立記念日の日しか計算させないとか。うわぁ、もしかして私のせい?ごめんなさいごめんなさい。

もはや富士通本体では維持不可能なこの機械、グループ会社の力を借りて何とか2019年までのメンテナンスを続けているそうな。富士通に限らず、おそらく国内大手電機本体では、メカの解る人材が今後激減していくんだろうなぁ。